* 二度目の逢瀬 *
「ねぇ、いつもの笑顔で笑って?背中を押して?」
「仕方ねぇーな・・・。」
負けたぜ。
意志の強い瞳してやがるな、ムカツクくらい。
「その代わり、ちゃんと帰って来いよ。」
「うん、私の居場所はここだもん。行ってきます!」
「帰ってきたん?」
「ああ。」
「でもまた走って行ったよな?」
「手塚たちに逢うらしい。」
「大丈夫なんか?!」
「アイツはそう言ってた。」
「跡部・・・アホやな。」
「うるせぇー・・・。」
「なんや自覚あるんか。」
「・・・。」
「ほんまアホやで、自分。」
「・・・。」
「姫さんを守るんちゃうかったん?」
「・・・。」
守る、俺なりのやり方で。
ただ・・・あの瞳を止めることが出来なかった。
「練習するぞ。」
「いいんか、は。」
「アイツが練習しろと言ったからな。」
「まあいいわ。その代り、俺も守るからな。」
「上等だぜ。」
「跡部には負けへんで。」
「そう言ってられるのも今だけだぜ。」
「戻ったな、俺様な跡部に。」
「勝手に言ってろ。」
「あれ?越前・・・は?」
「氷帝に戻ったっす。」
「戻ってくるのか?」
「戻ってくるっすよ、約束しましたから。」
来るの速いっすね、先輩たち。
先輩たちが何処に居たかはわからないけど・・・青学からここまでは結構な距離がある。
よっぽどさんに逢いたかったんだ。
「・・・元気にしてた?」
「自分で確かめればいいじゃん。さん来るんだし。」
「一応ね、訊いてみたかったんだ。」
「まぁいいや、元気なんじゃないっすか?」
「そう・・・よかった。」
「っているじゃん、さん。」
「え?!」
もしかして緊張してる?
先輩たちに逢うのを。
「「!」」
俺が行くよりも先に先輩たちが歩き出していた。
カランカラン
扉の向こうにはさん。
固まっている。
微動作にしない。
やっぱ緊張ししてるんっすね。
「久し振り、。」
「久し振りだな、。」
俺から見えるのはさんだけ。
でも、わかる。
先輩たちの表情が穏やかであることは。
さんの表情が変わったから。
「・・・久し振り・・・国光、周助・・・。」
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