* 彼等の護り方 *
『あっさんの家、ここ?』
『うん、あがってく?』
『せっかくのお誘いだけど、今日は遠慮しておくよ。』
『そっかーじゃあ今度は絶対だよ。』
『じゃあ、今日はお疲れ様。』
『お疲れ☆あっ明日から一緒にご飯食べようよ、手塚くんも一緒にさ。』
『どうして?』
『仲良くなりたいから。』
僕は君と仲良くなるつもりはないよ。
形だけなら兎も角ね。
『私さ、さんよりもふたりと仲良くなる自信あるんだ。』
『ふたりって僕と手塚?』
『うん、そう。』
『・・・。』
『だってさー手塚くんと不二くんも苦労したんでしょ。さんの相手。』
『え?』
『ふたりとも優しいからってみんな言ってるし。』
『そんなことないよ。』
『でも、みんなあのふたりは責任を感じてるからって言ってたし。』
『・・・・・・。』
『それに、ふたりの手伝いもできるしね。テニスなら得意だし☆』
『この前英二が言ってたよ、さんはテニスが上手いって。』
『この前ストリートテニスに行ったんだー。
私はさんみたいに運動神経が繋がってないわけでもないし。役に立つよ?』
『ふふ、心強いね。』
『手塚くんも認めてくれたしね。』
『手塚が?』
『そう、マネージャーになるとき、最初は乗り気じゃなかったみたいだけどその日のうちにマネになれちゃったし。』
手塚がさんをマネに採用したのはの言葉があったから。
それとのことを思ってマネにした。
それを彼女は知らない。
『それって私の頑張り様を認めてくれたってことでしょ。』
『・・・そうだね。』
『さんなんにもできないんだもん。』
のことを悪く言うのはやめてもらえないかな?
僕、本気で君に手をあげるかもしれないよ。
『だからさ、仲良くしようよ。』
『さん。』
『何?』
『女の子が遅くまで男とこんなところで話してると誰かに誤解されちゃうかもしれないよ?』
『別に、不二くんとならいいよ?』
『ふふ、光栄だな。』
心にもない言葉。
形だけの笑顔。
それでも、演技力には自信がある。
『まぁいきなり噂になるのもあれだし、送ってくれてありがとうね。』
『どう致しまして。』
『じゃあねー。』
僕は君が本当に嫌いだよ。
とは正反対の君が。
でも、形だけは好きな振りをしてあげる。
がこれを訊いたら怒るかな、怒るだろうな・・・本当に、は優しい子だから。
ごめんね、僕は君を愛しているから・・・君を傷つける全てが許せないんだよ。
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