* 彼等の護り方 *










「おはよう、手塚。」


「ああ、おはよう。」


「ちょっといいかな?」


「何だ?」


「疑問に思ったことがあってね、訊いてくれる?」


「わかった。」





















さん、のこと何もできないって言ってたんだ。」


「・・・。」


「でも、ドリンクとかタオルとか用意していたのはだよね?」


「そうだな。」


「確かに球出しとか、コート内でのこととか部日誌とかはさんが書いてたみたいだけど・・・

が何も出来ないってこととは繋がらないよね?」


「ああ。」


「・・・・・・大丈夫だよ、昨日言ったことは実行するつもりだし。」



の全てを否定するような発言が許せなかった。

例えそれが彼女が無意識に言ったことだとしても・・・・・・



「ごめんね、手塚。訊いてもらえてよかったよ。」


「ああ。」





















「あっおはよー不二くん、手塚くん。」


「おはよう、さん。」


「おはよう。」


「不二くん昨日はありがとうね!いっぱい話が出来て楽しかったよ。」


「ありがとう、僕も楽しかったよ。」


「今度は手塚君も一緒に帰ろうね!」


「・・・ああ。」



ふふ、上出来だよ手塚。

彼女の言葉を肯定するような発言でいい。



「早く教室に行かないと遅刻扱いになってしまうね。」


「あっほんとだ!じゃあまたねー。」


「ふふ、上出来だね。」


「そうか?」


「うん。」


「・・・・・・。」


「やっぱりが傍にいればいいのにな・・・」



あのの笑顔は僕の穢れた心を癒してくれるから。



「不二。」


「ごめんごめん。」


「今日の昼はどうするんだ?」


「彼女が誘って来たら考えるよ。その時は手塚も一緒にね。」


「・・・ああ。」





















今日、不二先輩と部長の様子がおかしいと思った。

あの先輩と一緒にお昼を食べている。



「あ、越前くんも一緒にどうー?」


「スイマセン、今日は遠慮しとくっす。」


「そっかーじゃあまた今度ね。」


「うぃーす。」



先輩たちが好き好んで先輩と一緒にいるとは思えない。

何かある。

・・・・・・それでも、先輩たちがさんのことを考えていないとは思えない。

これもさんのことを考えての行動なのかもしれない。

でも、俺にはわからない。




 







アクセス解析 SEO/SEO対策