* 天邪鬼 *
氷帝コールが鳴り響く中、コートをあとにすることになった。
結果は3−2青学の勝ち。
「あら、さん・・・髪型変えたのね。」
「・・・さん。」
「残念でしたね、氷帝のみなさん。」
「「「「「「「「・・・・・・・・・。」」」」」」」」」
「まぁ当然よね。天邪鬼がいるんだから。」
「天邪鬼、だと・・・?」
「そう、だって青学は去年は氷帝に負けたらしいじゃない。それはさんがいたから。
そして今年は青学は氷帝に勝った、さんが氷帝にいるからね。それに比べて私は勝利の女神だもん。」
さんの言葉に間違いはない。
さんの言うとおり、私は天邪鬼だから。
迷惑だけかけて、ただ甘えているだけ、それしかできない・・・
「姫さんが天邪鬼やて?」
「そうよ、わかるでしょう?」
「ふざけんな。」
「景吾、ダメ。」
本当に、優しすぎるよ景吾。
でも、女の子に手をあげちゃダメ。
私のために・・・なんてもっとダメ。
「・・・・・・。」
「さん何も出来ないんだもん、私のほうがよっぽどみんなの役に立ってるし。」
「・・・。」
「氷帝のみなさんももしよかったらいつでも呼んで下さいね!出張マネしますから♪」
綺麗な笑顔のさん。
みんなこの笑顔がすごく好きなんだと思う。
そしてきっと・・・氷帝のみんなも好きになる。
それに、この言葉は氷帝のみんなのことを思って言ってくれてる言葉。
「誰がお前なんかに頼むかよ。」
「ウチのマネはだけで十分や。」
「そーだそーだ!」
「俺はのこと好きだCー。」
「・・・激ダサだぜ。」
「先輩以外の人はいりません!」
「ウス。」
「俺たちに必要なのは先輩です。」
どうして?
どうしてそんなに優しい言葉をかけてくれるの・・・?
さんの言葉を受け取れば氷帝はもっと強くなれる・・・それなのに。
「行くぞ。」
「ほら、行こ。」
「う、うん。」
どうしてあなた達はこんなにも私に優しくしてくれるのですか・・・?
私なんかよりもみんなの力になれるさん。
それなのに、どうして私を必要としてくれるのですか・・・?
「さん。」
「は、はい・・・。」
「ばいばい。」
「・・・さよなら。」
すごく怖いと思った。
綺麗だと思っていたさんの笑顔が・・・。
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