* 大切なお姫様 *










「おはよう、景吾くん。」


「おはよう、。今日も愛してるぜ。」


「私も愛してるよv」


「相変わらずラブラブやな、おふたりさん。」


「当たり前だろ。」


「あっおはよう、忍足くん。」



俺様な跡部と、天使みたいに可愛いちゃん。

ちゃんは俺の好きな女の子や。

でも、彼女は跡部の恋人。

しかもカナリ溺愛しとる。

あの跡部がや。



「跡部様、おはようございます!」





ドンッ




「きゃっ!」


!」


ちゃん!!」



階段を登りきったところで跡部が声を掛けられた。

そこまでは良かった、いつも通りや。

でも、いつもと違うことがあった。

跡部に声をかけてきた跡部のファンの子達に押されてちゃんは階段から落ちた。

そして、ちゃんを庇うようにして跡部も落ちた。



ちゃん!跡部!大丈夫か?!」


「忍足くん・・・景吾くんが!!」



ちゃんは全く無傷。

跡部がちゃんと守ったんや。



「とりあえず保健室まで運ぶで!」


「う、うん・・・・・・。」


「跡部は大丈夫や、そんな柔ちゃうやろ?」


「そうだよね・・・・・・。」



ホンマめっちゃ心配しとる。

ちゃんを悲しませたらあかんやろ、跡部。

お前の大切なお姫さんが泣いてるで。





















ちゃん、大丈夫か?」



保健室に連れてきたはいいものの・・・なんでこんな時に限って保健医いいひんねん。



「私は・・・大丈夫だよ。」



大丈夫って言っても大丈夫そうには見えへんで。

無理したあかんよ、ちゃん。



「・・・・・・うっ・・・・・・。」


「景吾くん!」


「目ぇ醒めたか?」


「・・・忍足・・・?」



・・・なんでちゃんの名前より先に俺の名前を呼ぶん?

順番間違えてんで、跡部。

ドッカ頭打ってボケてんのか?



「景吾くん!大丈夫?!」


「・・・・・・お前、誰だ?」


「え?」


「何言ってんねん!」



冗談キツイで。

跡部はそんなこと言うキャラちゃうやろ!



「景吾くん・・・私のこと覚えてないの?」


「あぁ、お前なんて知らねぇ・・・。」



今、コイツなんて言ったんや?

ちゃんのこと知らんやて・・・・・・?



「ふざけんなや!!」


「忍足くん!」


ちゃん止めんといて!」



振り上げた手をちゃんが止めた。

目には涙がたまっとる。



「うるさくしちゃって、ごめんなさい。えっと私はです。

跡部くんとは同じクラスで・・・さっきは私を庇ってくれて本当にありがとう。」



ちゃんは跡部のことを”跡部くん”と呼んだ。

何で溺愛しとるちゃんのことを知らないなんて言ったんや?



「じゃあ私、教室戻るね。」



ちゃんは出て行った。

多分ちゃんは泣いとる・・・・・・。

そりゃそうや、ちゃんも跡部のことをめっちゃ愛しとる。

愛しとる相手に忘れられるなんて悲しすぎるやん。

俺かてもしちゃんに忘れられてしもたら・・・嫌やし、悲しすぎるわ。

なぁ・・・跡部、お前はちゃんのこと愛しとったんやろ。

何で忘れてしまったんや・・・・・・?

ちゃんの王子様はお前やろ、跡部・・・・・・。




 







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