* 普通じゃない人 *
「先輩ー!」
「あっおはよう、赤也。」
「今日も可愛いっすねー♪」
抱きっ
「離れろ、ワカメ!」
「いーじゃないですか、スキンシップスキンシップ♪」
「暑苦しいのよ!」
「えぇー俺は先輩のぬくもりを感じていたいっすv」
暑苦しいとか言いながら。
実は極度の恥ずかしがり屋の先輩。
その証拠に耳まで真っ赤になってる。
「真田ちゃんに言いつけるわよ!」
「げっ!」
と言うかあの副部長を・・・
ちゃん付けで呼ぶのって絶対にこの先輩しかいないし。
「今なら幸村ちゃん付き!」
真田副部長だけならまだしも・・・
幸村部長がつくのは嫌だ。
「・・・すいません。」
本当に怖いんだって。
幸村部長。
「わかればよろしいv」
「でも、先輩ってずるいっすよねー!」
「どうしてよ?」
「いっつも俺たちが汗水流して練習してるのに。
先輩は冷暖房設備の整った部室の中で悠々とティータイムなんてしてるじゃないっすか!」
「初めに言ったでしょ?私は何もしませんって。」
言ってた。
確かに昨日の自己紹介のときに言ってた。
けど!
「一応マネージャーらしいことしてくださいよーv」
例えば笑顔でドリンクとかタオルを渡してくれるとか。
いいかも・・・。
「い・やvだって疲れるもんv」
あー先輩ってこういう性格だった・・・。
面倒なことは大嫌いな人。
「あっそうだ、これ真田ちゃんに渡してv」
「なんすか?」
「レギュラー用の練習メニューだよ。」
見てみるとぎっしりと練習が詰められていた。
鬼コーチっすね。
って・・・あれ?なんで先輩がメニューを?
「何で先輩が作ってるんですか?」
「知らなかったかな?ちょっと前からメニュー作ってるの私だよ。」
「そういえば・・・ちょっと前から練習がさらにきつくなったような・・・。」
先輩作のメニューだったんですね・・・。
「本当に後悔してるわーあの時幸村ちゃんに声をかけたことに。」
「え?」
「言っちゃったのよ、幸村ちゃんに。
練習量ってそこまですごくないんだねぇーって。」
前だってかなりの練習量だったような気がするんすけど・・・。
今よりは少なかったけど。
「だってみんな余裕っぽかったし。」
そりゃ・・・確かにちょっと余裕だったかもしれないけど・・・。
今の量は半端じゃないっすよ。
「だからね、幸村ちゃんが持ってたメニューを全部2倍に書き換えたわけv
そしたらマネージャーに勧誘されました。」
確かにされるっすよね。
俺たちの練習見てたわけだし。
ギャラリーとはまた違うし。
「そして断ったら・・・。」
「断ったら?」
「幸村ちゃん以下のレギュラーの皆さんに追いかけられました。」
本当にマネージャーにしたかったんだ、先輩たち・・・。
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