* 普通じゃない人 *
「怖いわよーレギュラーたちに追いかけられるのは。」
確かに怖いかも、あのメンバーだし。
って言うか先輩って実は運動神経良い?
「先輩って運動神経良いんですか?」
「運動神経?・・・ないわよ。」
「はぁ?」
「私運動神経良くないわよー。」
「でも、先輩たちと追いかけっこしてたんっすよね?」
「うん。」
あの先輩たちっすよ?!
王者立海なのに・・・。
「だって追いかけっこって言っても・・・この学校でだもん。」
「・・・どういう意味っすか?」
「逃げ道はたくさんあるわ、走らなくてもね。」
ああそういうことか。
先輩ってマジ何者?
「さすがに幸村ちゃんは攻略が難しいけどね。」
さすが部長。
「でも好きだよ、幸村ちゃん。」
幸村部長、潰す!
「あとねー詐欺師も怖い。」
仁王先輩っすか。
確かにあの先輩も読めない感じが怖いかも。
「紳士も怖いねー。」
柳生先輩もっすか。
「柳ちゃんも怖かったなぁ。データで追いかけて来るんだもん。」
柳先輩も・・・って殆どじゃん。
「でも、真田ちゃんとブンちゃんとジャッカルちゃんは怖くないよ。」
真田副部長怖いくないんっすか?!
「赤也もちょっと怖いかな。」
「怖いっすか?」
「うん、何考えてるかよくわからない。」
やっぱ好き、先輩。
「でも、みんな悪い人達だとは思わない。」
「・・・。」
「良い人達だよ、本当に。」
笑顔。
でもどこか悲しそうで・・・。
「・・・。」
どうして?
なんて訊けるような雰囲気じゃない。
「俺も・・・」
「ん?」
「俺も入れますか?良い人に。」
「さぁ、それはどうかな?」
笑顔が戻った。
いつもの笑顔に。
「せっかくだし赤也の練習メニュー2倍にしてあげようか?」
「勘弁してくださいっす・・・。」
「さっ早く練習行きなさい。」
「うぃーっす。」
結局ちゃんとした答えは聞けなかったけど・・・
いつか話してくださいよ、先輩?
「練習頑張ったらご褒美くれます?」
「あげません。」
「チッ・・・」
「真面目にちゃんと練習しなさい!」
「えぇーご褒美があったほうが燃えますって!」
「黙れワカメ。」
「先輩ーvv」
俺だって先輩の良い人になりたいから。
絶対になるから・・・。
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