* 笑った顔が好き *










「というわけで・・・私たちは消えるから!」


「えぇーもう帰るんすか?」


「当たり前でしょ!

人様の学校にどれだけ迷惑をお掛けするつもりよ!」


「俺はもっと遊んでいきたいっすよー。」


「・・・じゃあ勝手にしなさい。」



本気で怒ってる。

気迫がすごい。



「・・・スイマセン。」



謝っても許してくれないかもしれない。

嫌われたかも・・・。



先輩・・・。」


「聞き分けのない子は嫌いよ。」



突き放すような言葉。



「・・・。」


「でも、反省ちゃんとするなら許してあげる。」


先輩!」



にっこり。

いつもの俺の好きな笑顔。

・・・今気づいた。

ここは青学。



先輩いくっすよ!」


「えっ?!ちょっと赤也?!」



先輩を引き摺りながら走る。



「止まりなさい!」


「嫌っす!」



止まったら青学の奴らに?まる!

そんなことしてたまるもんか!

絶対に先輩を見せてやんねぇー!



「青学の皆さんーお騒がせしましたー!」



律儀な人だと思った。

俺に引き摺られながら綺麗な声で叫ぶ。

青学の奴らに。





















「可愛い子だったね、手塚。」


「・・・ああ。」


「怒った顔もなかなか魅力的だったけど・・・あの笑顔好きだな。」


「・・・そうだな。」


「クス、珍しいね。」


「・・・。」


「でも敵は手強そうだね。

立海の切原赤也、まぁ立海のレギュラーたちはみんなかな。」


「そうであろうな。」


ちゃんか、今度自己紹介しに行こうかな。」


「・・・。」


「そういえば越前遅いね。」


「また遅刻か・・・。」




















先輩気をつけてくださいよー!」



後ろから追いかけてきていないのを確認して先輩を放す。

本当はもっと近くにいたいけど。



「え?何を?」



気づいてないし。

笑顔振りまかないで下さいよー。



「赤也?」


「何でもないっす。」



俺のものにしたいな。

あの笑顔。



「変な赤也ー。」



でも、怒った顔も好きかも。

本当に俺に怒ってるって感じが。

別にマゾってわけじゃないけど。



「変なのは先輩ですってばー。」


「失礼ねぇ!」



頬を膨らまして怒るのは犯罪っす。

可愛すぎ!




 







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