* 笑った顔が好き *










ドカッ





「痛ー!」


先輩、大丈夫っすか?」


「大丈夫じゃないわ!」


「・・・大丈夫そうっすね。」


「・・・あんた達、誰?」


「君は?」


「俺が先に訊いたんだけど。」


「生意気なガキね。」


「・・・。」


「なぁーんてね、私は

よろしくね、青学の1年生さん?ちなみに名前教えて?」


「え、越前リョーマ。」



笑顔向けないでくださいよー。

この1年も固まってるし。

何かむかつくし。

俺の好きな笑顔。

でも向けられてるのは俺じゃない。



「あっ生意気なガキだなんて言ってごめんね。

私、結構何でも言っちゃうから・・・例えばワカメとか。気を悪くしないで欲しいな。」


「別に気にしてないっすよ、先輩。」


「ふふ、私は君の先輩じゃないよ?」


「じゃあさん。」


「よくできました。」



また笑う。

コイツに。

むかつく。



「私はリョーマって呼ぶけどいい?」


「どーぞ。」



ていうか俺だってまだ名前で呼んでないのに・・・。



先輩!」


「ん?」


「早く行かないと真田副部長に怒られるっすよ!」


「・・・なんか怒ってる?」


「怒ってないっす!」


「仕方ないなぁーまたね、リョーマ。」


「また逢いましょうね、さん。」




















「・・・それで、どうして不機嫌なのかな?」



気づいてよ。



「赤也?」



俺ってかなりガキじゃん。



「赤也ちゃん?」



子供を宥める様な口調。



「・・・名前。」


「え?」


「アイツ、先輩のこと名前で呼んだ。」


「それがどうかした?」


「ずるい、俺だって呼んだことないのに。」


「なら呼べばいいじゃない。」


「え?」


「私は赤也に“先輩”って呼んで、なんて一言も言ってないわよ。」


「・・・。」



適わない。

俺の欲しい言葉をくれるこの人。



先輩。」


「なぁに?」


先輩。」


「だから、なぁに?」


「これからそう呼んでいい?」


「どうぞ、ご自由に。」



先輩は笑う。

いつものあの微笑で。

俺の好きな微笑で。




















「たるんどる!」



真田副部長に怒鳴られた。



「真田ちゃん、その辺にしておいてよ。」


「・・・。」


「マネ、やめるわよ。」


「・・・わかった。」


「ありがとうっす、先輩v」


「どう致しまして。」



真田副部長より先輩のほうが強いこと判明。




 







アクセス解析 SEO/SEO対策