* 強い信頼 *










せんぱぁーいvv」





抱きっ





「・・・。」


「あれ?今日はなんも言わないんすか?」


「・・・。」


先輩?」


「・・・。」



反応がない。

先輩機嫌悪い?



先輩?」


「・・・。」


「・・・。」



先輩を抱きしめる力を強める。

それでも先輩の反応はない。



「本当にどうしたんっすかー?」


「ねぇ赤也・・・。」



やっと口を開いてくれた。

よかった・・・。



「何っすか?」


「赤也はどうして私にこんなことするの?」


「え?」


「抱きついたり・・・。」


「嫌っすか?」


「・・・嫌じゃない。」


「・・・。」


「むしろね、嬉しいの。」



いつもの先輩じゃない。

いつもの破天荒な先輩じゃない・・・。



「どーしたんすか?」


「ううん、何でもない。」


「そりゃないっすよー気になる!」


「・・・もうちょっと待ってね。」


「待てば教えてくれるんの?」


「うん、もうちょっとだけ・・・。」


「じゃあ・・・先輩が教えてくれるまで抱きつき続けますからね。」


「・・・言わなくなったりして。」


「えぇー!!」


「嘘よ、もう少し時間が欲しいだけ。

赤也のこと、私すごく信頼してる・・・でもまだ足りないの。ごめんね。」


「別にいいっすけど・・・先輩たちは?」


「・・・知ってるよ。」



やっぱり。

先輩たちと俺の違いは先輩と過ごしてきた時間の長さ。

1年も多い。

正確には2年。

俺が先輩を知ったのはほんの数週間前だから。

それでも・・・先輩たちに負けないくらい好き。



「たいしたことじゃないかもしれないけどね。」


「先輩たちは知ってるって言うのはちょっと気に入らないけど・・・待つから・・・。」


「うん、ありがとうね。」



先輩をさらにぎゅっと抱きしめる。

今日の先輩はいつもと違うから・・・。



「離れろワカメ!!」


「え?」


「待ってくれるんだよね?」


「そ、そうっすけど・・・。」


「じゃあ離れろ?」


「嫌。」


「ワーカーメー!!」


「いいじゃないっすかー先輩v」


「よくない!!」


「さっきの先輩は可愛かったのに・・・。」


「可愛くなくていいもーん!!」


「うそっす、先輩はいつも可愛いっす!」


「知らないもーん!ワカメのバカー!!」


せんぱーい!!」




 







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