* 強い信頼 *










「赤也!また遅刻ね!」



・・・いつもの先輩?

昨日とは違う・・・。



「グランド30周よ!」





抱きっ





「ちょ、ちょっと赤也?」


「おはよーございます、先輩v」


「・・・おはよ。」


「何か優しいですねー。」



『離れろワカメ』とか言わないし。

やっぱり昨日の話のせい?



「・・・馬鹿!離れなさいばかばかワカメ!!」


「・・・なんか前よりひどくなってるし・・・。」


「煩い!!離れろ!」


「もうちょっとっ!」


「もう・・・仕方ないなぁ・・・。」



先輩が!

先輩が・・・優しい!

いや、元から優しい人だけど・・・。



「じゃあグランド100周ね。」


「え?」


「だって言うこと聞かない馬鹿ワカメが悪いんだもん。」


「ちょっと待ってくださいよー!!」


「待つと思う?」



前言撤回。

先輩は優しくない!!



せんぱぁーい(泣)」


「だぁーめ!遅刻するワカメがいけないの。」


「100周なんて走ってたら授業間に合わないっす!」


「柳ちゃん!」





パチンっ





「どうした?」



先輩が指を鳴らすと同時に現れる柳先輩。

・・・何者っすか?!



「間に合わない?」


「赤也なら間に合うな。」


「よし!頑張れ赤也v」



あっこの笑顔・・・。

ダメだ、やっぱり敵わない。

すごく、好き・・・。



「うぃーっす!」



返事をして走り出す。

あの人はちゃんと見ていてくれるから。



「飴と鞭・・・か。さすがだな。」


「お褒めに与り光栄ですわ。」


「・・・話したのか?」


「うん、よくわかったね。」


「幸村から訊いた。」


「そっかぁー幸村ちゃんからかぁ。幸村ちゃんに背中押してもらったもん。」


「・・・。」


「赤也もね、嫌いにならないって言ってくれたよ。」


「そうか・・・。」


「嬉しかったなぁ・・・。」


「よかったな。」


「うん。本当に立海は優しい人ばかりね。」


「お前もだろう。」


「私?」


「ああ、お前がここでは一番優しい。」


「あはっそんなこと言うのは柳ちゃんくらいだよー。一番は幸村ちゃんだもん。」


「・・・。」


「でも、ありがとね、嬉しい。」


「ああ。」


「柳ちゃん・・・抱きついていい?」


「ああ、構わない。」


「ありがと。」




 







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