* 強い信頼 *










「柳先輩!何やってるんっすかー!!」





ベリっ





柳先輩から先輩を引き剥がす。



「・・・から抱きついてきたんだがな。」


「ありがとう、柳ちゃん。元気もらった!」


「ああ。」


先輩!俺も元気あげるっすよ!」


「えぇーいらない。」





ガーンっっっ





「だってさっき赤也抱きついてきたし。」


「もう一回もう一回!」


「うーん・・・でも柳ちゃんにもらったし・・・。」


「・・・。」





抱きっ





「じゃあ俺が先輩に元気もらう。」


「ふふ、柳ちゃんから元気もらったし、いっぱいあげるよ。」



ってそれって先輩の元気じゃなくて・・・柳先輩の元気?!

うわぁ・・・貰ってもちょっと困るかも・・・

でも、まぁいいや、先輩抱きしめてると気持ち良いし。



「でも、早くしないと授業遅れちゃうよ?」


「え?!」



そういえば先輩も柳先輩も制服だし。

いつの間に?!



「今からすぐに着替えるなら待っててあげるよ?」


「行って来るっす!」


「行ってらっしゃい。」


「楽しんでいるな。」


「うん、楽しいよ。赤也は良い子だもん。」


「・・・。」


「立海で一番素直な子かもしれないね。」


「そうだな・・・。」


「柳ちゃんも良い子だよ。みんな、みんな良い子・・・私だけ悪い子。」


も良い子だ。」


「・・・。」


「大丈夫だ。を悪い子と言う人間はいない。少なくとも、ここには・・・」


「うんうん、ありがと・・・ありがとう・・・っ」


「あー!!柳先輩が先輩を泣かされてる!!」



「「「「「「何?!」」」」」」



「柳!女の子を泣かしちゃいけんよ。」


「柳くん、あまり良い行動とは思えませんね。」


を泣かせただと?!」


を泣かせるなー!!」


「・・・問題起こすなよ・・・。」


「いや、泣かせてない。」


「そうだよーうれし泣きvみんな大好き!」



満面の笑顔で先輩はこう言った。



「俺も好きっすよvv」


「俺も好いとぉよ。」


「私も好きですよ。」


「・・・そうか。」


「俺も好きだぃー!」


「・・・ああ。」


「俺も好きだ。」



みんな口々に先輩に答えを返す。

ほぼ同時に。

だから先輩にちゃんと伝わったかはわからない。

でも・・・先輩の笑顔があった。

きっと伝わっている、絶対に。




 







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