* 破天荒姫 *










「みんな頑張ってるー?」


せんぱぁーいvv」





抱きっ





「ワ・カ・メ!」


「赤也です。」


「離れないと一生ワカメよ!」


「えぇー・・・。」


「いいのね、ワカメでいいのね?」


「いやっす。」


「じゃあ離れなさい。」


「だって先輩今日、部活出てなかったじゃないっすかー。」


「幸村ちゃんのところ行ってたんだもん。」


「俺だって一緒に行きたかったのに!」


「幸村ちゃん元気だったから大丈夫だよ。」


「そうっすかー。」


「さっ離れようね、ワカメ?」


「忘れてたと思ったのに・・・。」


「甘いわよっ!」


先輩禁断症状なんっすよー!」


「何よそれ・・・。」


先輩がいなくて淋しかったんっすよ!」



甘えてみる。

後輩だけの特権。



「そっかぁ・・・淋しかったんだ・・・ありがと。」



効果覿面?!



「でもね、離れろ、ワカメ。」


「・・・もうちょっと。」


「だぁーめ、これあげないよ?」


「何?」


「そろそろ練習終わる頃かなぁーっと思って差し入れ。」


「差し入れ?!」


「うん、差し入れ持って行ってあげてっていったのは幸村ちゃんなんだけどね。」



先輩の手にはコンビニの袋。



「みんなの好みはある程度わかったけど、赤也の好みがよくわからなくてね・・・好きじゃなかったらごめんね。」



先輩の言葉に少し物悲しさを覚えた。

俺と先輩たちの差。

過ごしてきた時間を感じさせられたから。



「だからね、これからはちゃんと赤也の好みも教えてよね。」


「もちろんっす!」


「それで、いつまで抱きついてるつもり?チリチリ馬鹿ワカメ?」



ヒドイッス!

さっきはめっちゃ優しい笑顔だったのに・・・!



「離さないと本当に幸村ちゃんに電話するわよ?」


「やめてくださいっっ!!」



それだけはマジ勘弁してください!

幸村部長ってかなり怖いんっすから!

先輩は知らないだろーけど!



「はぁーい!みんな集合!」


!それ何それ何?!」


「ブンちゃんにはい、これ!」


「あー新製品のガムじゃん!さんきゅー!」


「はい、次はージャッカルちゃん!コーヒーだよ。」


「悪いな。」


「いえいえー。これは・・・柳生ちゃんね。」


「ところてんですね、ありがとうございます。」


「喜んでもらえてよかった。」


、俺には?」


「仁王ちゃんにはこれ!」


「なんじゃ?」


「飴なんだけどね、ひも付きの。当たり外れがあるの。仁王ちゃんならではでしょ?」


「どういう意味じゃ?」


「うん、仁王ちゃんは詐欺師だからね。」


「・・・関係ないじゃろ。まぁありがとな。」


「これは柳ちゃんにだよv薄塩味のお煎餅。」


「それはありがたいな。」


「真田ちゃんには、はいこれだよ。」


「・・・魚?」


「うん、カルシウム不足だと思って。」


「そ、そうか・・・。」


「で、最後は赤也。」


「何っすか?!」


「ワカメ。」


「はぁ?」


「だってワカメしか思いつかなかったんだもん。」


せんぱぁーい(泣)」



こうして俺たちは先輩に振り回されています。




 







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