* ひとりは淋しい *










「うわぁーでかっ!!」


「そんなことないよー。」


「でかいってでかすぎ!」



先輩の家はとりあえず、でかかった。

もうまるで城!



「お手伝いさんとかっているんすか?」


「ううん、雇ってない。」


「えぇーこんなにでかいのに?!」


「たくさん人がいっぱいでも大変でしょ。」


「そーっすね。」


「でもやっぱりひとりは淋しいから・・・ついみんなに甘えちゃうんだよね。」


「・・・ってことは・・・先輩たちって泊まったこともあるわけ?!」


「うん、ひとりの時は言わないと幸村ちゃん怖いし。」



幸村部長心配性だなー。

でもまあわかる気がする。

先輩をひとりにはしたくない。



「だからね、みんなが泊まりに来てくれるの。

でも、最近は全然ひとりになることなかったから・・・急に淋しくなっちゃってね。」


「じゃあ・・・俺もこれから来ていい?」


「来てくれるの?」


「はいっ!」


「じゃあお待ちしてます。」


ー今日のご飯は?」


「なに食べたい?」


先輩が作ってくれるんですか?」


「ううん。」


「・・・もしかして俺たちが作るの?」


「ううん。」


「じゃあ・・・?」


「とりあえず、赤也食べたいものは?」


「・・・焼肉。」


「よし、じゃあ決定。あっちゃんといろいろお願いするから。特に柳ちゃんと柳生ちゃん用。」


「いつもすまないな。」


「お気遣いありがとうございます。」


「じゃあ電話してくるね。」




















「・・・先輩、どこに電話するんすか?」


「それはな・・・秘密じゃ。」


「えぇー?!」


「見ときんしゃい、時機にわかるから。」


「うぃーっす。」





















お嬢様、お待たせいたしました。」



「ありがとう、いつもごめんね?」



「いえ、そんな滅相もございません。」



先輩その人誰?!」


「この人は私の家の・・・シェフ?」


「シェフ?!」



シェフってあの?!

何でいるんすかー?!



「初めてお目にかかりますね、私、この屋敷のシェフをさせて頂いておりますユリアです。」



「外人さん?」


「そう、ユリアはね父がイギリスから連れてきちゃったシェフなの。」


「って言うか、シェフに焼肉?」


「ううん、ただ材料を持ってきてもらっただけ。ちゃんと鍋奉行がいるからね。」


「それって真田副部長?」


「うん。」



「それではお嬢様、失礼します。」



「ありがとうね、ユリア。」



「明日の朝食の用意はさせて頂いておりますので・・・いつものように。」



「いつもごめんね。」



「いえ、お嬢様のためですから・・・。それでは失礼します。」



・・・先輩ってすごい。

って言うか、お嬢様じゃん。




 







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