* 地区予選 *
「先輩遅い。」
「ごめんね、ごめんね。」
「まぁいいや、ちゃんと見ててよね。」
「うん、ダブルス頑張ってね。」
「先輩!俺の応援もお願いしますー!」
「桃ちゃんも頑張ってね。」
「どーも!」
「ねぇ先輩、この試合勝ったらご褒美くれる?」
「ご褒美?」
「うん、ご褒美ちょうだい。」
うーん・・・どうしよう。
この試合私が知ってる限りではリョーマたちが勝つのよね。
ご褒美かぁ・・・。
「何が欲しいの?」
「先輩のキス。」
「はぁ?!」
全く・・・何を言い出すんですか、この子は!
キスですと?!
・・・・・・そういえばリョーマって帰国子女だよね。
キスは挨拶・・・ならいいか。
「頬でいいよ。」
「うん、それならいいよ。」
「マジ?」
「だってリョーマって帰国子女でしょ?キスは挨拶だもんね。」
「・・・・・・。(そういう意味じゃないんだけど。)」
「リョーマ?」
「俺勝つから。」
「うん、頑張ってね・・・ダブルス。」
「越前ずるいぞー!」
「・・・桃先輩・・・。」
「先輩、俺にもして下さいよー!」
「桃ちゃんも?」
・・・・・・私からのキス(頬に)のどこがご褒美何でしょう?
不思議だわ、青春学園。
「じゃあ・・・最後までちゃんとダブルスだったらね。」
「どういう意味ッスか?」
「うん?そのままだよ。ちゃんとダブルスで勝てたらね。」
とりあえず、敵は増やしたくありません。
というわけで・・・・・・キスもしないようにしましょう。(桃ちゃん帰国子女じゃないし。)
だって・・・折角テニプリの世界に来たんだもん、呼び出しとかは嫌です。
「ねぇ、本当にあのふたりが勝ったらキスするの?」
「ううん、ちゃんと最後までダブルスだったらだよ。」
「どういう意味?」
「ふふ、周助もリョーマと同じ事聞くのね。」
「・・・・・・。」
「だってほら・・・もうダブルスじゃないもの、あのふたり。」
コートを半分にして、シングルスのつもりでプレイしてるでしょう?
これはダブルスじゃないよね?
真ん中だけだもん、あのふたりのダブルスは。
「じゃあ、僕が6−0で勝てばキスしてくれる?」
「うーん・・・・・・。」
確か周助は6−0で勝っちゃうのよね?
どうしよう。
何か周助の微笑には勝てない・・・・・・・。
やっぱり周助は魔王だったのかもしれないね。
妙なオーラを感じます。
もしかして黒魔術?!
私、黒魔術かけられちゃったの・・・?
「ね、?」
「頬にだよ?」
「うん、それで構わないよ。」
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