* 地区予選 *










「お疲れ様、ふたりとも。」



ドリンクとタオルを渡してくれる先輩。



「・・・どーも。」


「ありがとうございます、先輩。」



試合中すっかり忘れてた、先輩との約束。

“ちゃんとダブルスで勝てたら・・・”って先輩は言ってた。

結果は勝ったけど、ちゃんとダブルスじゃなかった。



「勝ってよかったね。ドキドキしちゃった。(結果は知ってるけどやっぱり試合ってちゃんと見ているとドキドキなのね。)」


「・・・・・・。」


「リョーマ?どうしたの?」


「・・・・・・先輩にキスしてもらいたかったのに・・・。」



後輩の特権というものを使ってみる。

先輩にキスしてもらいたいのは事実だし。



「そ、そんなに落ち込まないで?」


「・・・・・・。」


「うーん・・・・・・これあげるから、ね?」


「なにコレ・・・。」


「飴だよ。(雅治に朝貰ったのだけど)」


「・・・・・・。」



先輩ってそういえば天然だっけ・・・。

結構手強いじゃん。



「コレ食べて元気出して?このあと大変なことになっちゃうから。」


「大変なことって?」


「スミレちゃんに怒られちゃうよ、きっと。」



先輩は綺麗な笑顔でこう言った。

そしてそのあと俺と桃先輩は正座させられた。





















「みんなお疲れ様!さすが青学だね!」



うんうん、やっぱり青学は強いね。

もちろん他の学校もすごくすごく強いってことは知ってる。

地区予選、都大会、関東大会で出逢う強豪たち。

でも私は・・・関東大会の結果までは知ってしまっているから・・・・・・

それでもやっぱり本で読んでいる試合と本当に見る試合は全然違う。

だから、わたしは何も言わない、言えない。

待ているのは嬉しい結果、悲しい結果たくさんあるけど・・・みんなと一緒にこの瞬間を感じていければいいな。



、約束だよ。」


「あっうん。」





chu





「ありがとう。」


「どう致しまして。」



頬にキスって案外簡単なものだったのね。

っていうか・・・私ってやっぱり学校で呼び出される運命なのかしら・・・?

その前に先手打たなきゃ。

折角のテニプリの世界、楽しく過ごしたいもん。



「不二先輩ずるい。」


から訊いたよ、”ちゃんとダブルスで勝ったら”だったらしいね。」


「ムカつく。」



やっぱりあのふたりからはブラックなオーラを感じます。

その証拠に青学のみなさんが青い顔しております。

大丈夫かな・・・この調子で・・・。

あっこの展開だともうすぐ不動峰?

わぁー楽しみだな、黒い集団不動峰。




 







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