* 地区予選 *
「手塚だな。俺は不動峰の部長橘だ!!いい試合をしよう。」
「ああ。」
黒い集団不動峰!!
不動峰が今目の前に・・・!!
うん、やっぱり黒い集団だね。(ジャージの色が。)
「ねぇ、。」
「どうしたの?周助?」
「この試合も勝ったら・・・ご褒美くれるの?」
「・・・あげない。」
ごめんね。
私は知ってるの、この試合は青学が負けちゃうこと。
それに・・・タカさんが怪我しちゃうことも・・・ごめんね、言えなくて。
「そっか・・・残念。」
「ご褒美はまた今度ね?」
「ふふ、楽しみにしてるよ。」
ダブルス2の結果はやっぱり私の知っている通り。
青学の棄権負け。
「頑張ってね、英二、秀一郎。」
「おう!」
「頑張るよ。」
大丈夫。
この試合は大丈夫・・・・・・。
「あっドリンクの用意しなくちゃ。」
遅刻したから用意できてなかったんだよね・・・
スミレちゃんはスポーツドリンク買って来ればいいって言ってくれたけど・・・
何か・・・マネージャー失格かも。
全然みんなの役に立ててないし・・・
「先輩、付き合おうか?ドリンク買いに行くの。」
「いいの?」
「当然、俺もファンタ飲みたいし。」
「じゃあ買ってあげる、ファンタ。」
「いいの?」
「ドリンク運ぶのも手伝ってくれるでしょう?」
「もちろん。」
「行こう、試合が終わる前に渡さなきゃ。」
「不二先輩たちには渡してたよね?」
「うん、ふたりが試合してるときにちょっと抜け出して買って来たの。」
やっぱり冷たいドリンクのほうがいいから・・・
私の記憶どおり進んでいるこの物語だから大体のゲームの経過時間はわかる。
「へぇ・・・先輩って結構すごいじゃん。」
「すごくないよ。」
「すごいッスよ、ドリンクの冷たさとか・・・俺は好き。」
「・・・ありがとう。」
リョーマにまで気を使わせちゃったかな・・・?
「ほら、早く行こ?」
「うん、そうだね。」
「・・・先輩。」
「なぁに?」
「俺は・・・先輩がいるから頑張れるッス。」
「え?」
「だから・・・マネ失格だとか思わないでよね?」
「・・・・・・気付いてたの?」
「だって先輩なんか元気ないし。」
「・・・・・・。」
「先輩たちもみんな、先輩がいるから笑ってるんッスよ。」
「・・・ありがと、リョーマ。」
「どー致しまして。」
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