* 地区予選 *










「リョーマ!」



瞼が切れて血を流しているリョーマ・・・

私はこうなることも知っていたのに・・・

私がリョーマに気をつけるように言っていれば何かが変わっていた?



先輩、血で汚れるから近づかないほうがいいッスよ。」


「別に血で汚れてもいい!」


「・・・・・・。」


「ごめんね、リョーマ。」


「・・・なんで先輩が謝るの?」


「だって・・・・・・」


「大丈夫だって、先輩。」


「え?」


「俺、勝つから。」


「・・・・・・。」



そうだよね。

リョーマはここで諦めたり絶対にしない。

それで、この試合に勝っちゃうんだもんね。



先輩のためにも、勝つから。」


「・・・・・・頑張れ。」


「うぃーッス。」



そして、国光は10分と言った。

10分以内と・・・・・・



「国光・・・」


「越前は大丈夫だ。」


「うん。」


「お前が見ていてやれば・・・越前は負けない。」


「違うよ・・・リョーマは私がいなくても勝つよ。」


「・・・・・・。」



だってこの試合は・・・地区予選優勝は・・・

リョーマの手で決まるのだから。

私が読んできた物語には私の存在はないもの。

だから、私がいなくても・・・リョーマは負けない。



「だが・・・越前はお前のためにも勝とうとしている。」


「・・・うん。」



コートに再び向かう前にリョーマは私のためにも勝つといってくれた。



「だから・・・ちゃんと見ていてやれ。」


「うん、そうだね。」





















「ゲームセーット!!ウォンバイ青学越前!!」





















「おめでとう!!」


「・・・先輩、ご褒美は?」


「ご褒美・・・何がほしいの?」


先輩のキス。」


「もう・・・またそれ?」


「だって、俺キスしてもらえなかったし。」


「・・・で、でも・・・」





chu





「ご馳走様。」



答えに戸惑っているとリョーマの方から頬にキスをしてくる。



「リョーマ?!」


「だって、先輩隙だらけだし。」


「もう!不意打ちはやめてよー!!」





















にキスするなんていい度胸だね。」


「げっ・・・不二先輩。」


「越前・・・覚悟しておきなよ?」


「不二先輩・・・怖いッスよ。」




 







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